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プラスチック 2
音羽通信 2019.9 月号
循環資源研究所 村田徳治
アスベスト(石綿)と塩化ビニル樹脂 PVC
アスベストは耐久性耐熱性耐薬品性電気
絶縁性などの特性に優れ安価であるた「奇跡
の鉱物」として重宝され、建築資材・電気製品・
自動車・庭用品等、々な用途に広く使用され
てきた。かし、空中に飛散した石綿繊維を長期
入す皮腫
ことが指摘されるようになり「静かな時限爆弾
と呼ばれるようになった
日本では 1975 9 月に吹き付けアスベストの
使用が禁止され2004 年に石綿を 1%以上含む製
品の出荷が原則禁止、2006 年には同基準が 0.1
以上へと改定されている。個人でも、1960 年代
まで製いた綿灰を
る際には注意が必要である。なお、労働者の石綿
暴露防止の法規制は、2005 年に石綿障害予防規
則が新設施行され、定化学物質等障害予防規
則から分離された。
空中に飛散した石綿繊維を長期間大量に
吸入すると肺癌や中皮腫の誘因となること
が指摘されるようになり「静かな時限爆弾」
と呼ばれるようになった。
2012 3
石綿は完全に製造禁止となった。
ただし、試験研究のため等一定の要件に
該当するときはこの限りでなく、無害化・
飛散防止・含有検査技術の研究までも禁止
されないよう配慮されている。なお、石綿
含有建築物の保有者から解体業者・解体業
者から廃棄物処理業者への受け渡しは、上
記の禁止規定の適用はない
建材として建物に組み込まれている状態
で使用されている物は、引き続き使用され
ている間、製造等の禁止の規定は適用され
ない。現に使用されている物の規制として
は、石綿障害予防規則により、労働者を就
業させる建築物の壁等に吹き付けられた石
綿等が損傷等によりその粉 を発散させる
等のときは除去等の措置が義務づけられて
いる他、建築基準法により、増改築時にお
ける除去等が義務づけられている。
綿
解体業者や廃棄業者の労働者の暴露防止対
策として労働安全衛生法に基づく石綿障害
予防規則、解体時の一般大気環境への飛散
防止対策として大気汚染防止法に基づく措
置、廃棄時の無害化対策等として廃棄物処
理法で特別管理産業廃棄物に指定され溶融
処理等が、各々規定されている。また、海
洋投棄は禁止されている。
綿
綿
1900 綿
病との関連するものであり、イギリスでは
1924 綿
1930
定められた。
1970年代に入りアメリカの裁判所は、ア
1930
トの危険性を認識しつつ隠蔽を行っていた
ものと認定した。
アスベストは世界保健機関の付属機関国
IARC
(グループ1
トは肺線維症・肺癌の他、まれな腫瘍であ
る悪性中皮腫の原因になるとされている。
日本では、2005
スベストを使用した資材を製造していたニ
チアスやクボタで
員やその家族など多くの人が死亡していた
ことが報道された。
造船・建設・運輸業などにおける被害が
報じられ、1999年度から2004年度までの間
2
に、日本全国の労働基準監督署において石
綿による肺癌又は中皮腫の労災認定を受け
た事業場に関する一覧表が公表された。
クボタでは工場周辺の住民も被害を受け
ている。2012年には日本で1400名の中皮腫
による死亡者が発生しており、過去の石綿
汚染の健康被害が本格的に顕在化し始めて
いるとみられている。また、京王8000系電
車の運転台撤去工事 、同車の断熱塗料
本来含まれていないはずのアスベストが検
出された。これにより改造工事を行った作
業員12
ていることとなり、健康被害が疑われる事
態となった。なお、環境省では建築物の解
2020年か
2040
10
出されると見込まれ、今後の解体にあたっ
て建築物周辺の住民の健康への影響が懸念
されている。
日本よりも先にアスベスト健康被害が問
題化したアメリカでは、当時世界最大のア
スベストメーカーであったジョンズ・マン
ビル社に対し訴訟が相次ぎ、マンビル社が
事実上の倒産に追い込まれた。日本では
ンビル社の日本総代理店として大量のアス
ベストを輸入していたの 東京興業貿易商
会である。
日本には組織が業界を守るという悪習が
あり、古くからアスベストの危険性が判明
していたにもかかわらず、何の規制 なく
その普及を促進し、多くの被害者が出て初
めて規制されるということが行われてきた。
これは未曽有の取り返しのつかない大事
故である福島第一原発事故でも言えること
である。経営者の責任を問う裁判でも「事
故前の法規制では絶対安全の確保を前提と
してはいなかった」と指摘し、刑事責任は
問われず無罪になった。当局も専門家も電
力会社も、原子力業界全体が安全に対して
鈍感だったので三人だけを責められない。
そんな理屈で責任者を消してしまう
19 9 27日付けの
朝日新聞に次のような懸念を寄せている。
「国際原子力機 IAEA の基本安全原則や原子力
安全条約では、許可を受けた組織または個人が安
全に対する責務を負うなどと定めている。しかし
本判決は、「確実でない事は想定外としても問題
ない」となりかねない。経営者らが最終責任を持
つと信じて、運転を任せていた地元のみが被害を
受けるのはおかしい。
現在の「世界で最も厳しい」規制でも、
絶対の安全を保証はしていない。今回のよ
うな判決では、電力会社が今後も真摯に安
全対策を講じようとせず、地元の方々も安
心して再稼働を認めることはできないだろ
うと懸念する。
世間には 業界
には敏感な人もいた。国の地震予測を考慮
に入れ、津波対策をした電力業者もあった
と裁判で証言された。それが日本原電東海
第二発電所である。
2011 3 11日に発生した東日本大震災
により、日本原電の 自動停止。そ
の後、5.4m
却用電源を複数備えていたことや、茨城県
による津波評価を参考にした防潮壁強化工
事が奏功し、福島第一原子力発電所事故の
ような深刻な原子力事故には至らなかった。
しかし、原電側は津波対策を他社に漏れな
いようにひそかに
事実が漏れると、他の原子力発電所も対策
を講ずることを迫られ、電力業界の足並み
を乱す恐れがあり、組織や業界を守るため
3
であったという。
日本の企業特有の横並びの社会的責任な
のであろうか。
企業とその株主は、環境に対して直接的
な責任を負っている。利潤の追求は、それ
が地球の健康状態と保全とを損なわない限
度において行われるべきものである。
この原則は塩化ビニル関係業界にもいえ
ることである。
PVC
PVC
重量
60
消費量などが小さいため現在では 塩化ビ
ニル樹脂は
て二酸化炭素CO
2
の影響
見方もなされるようになってきた。
1
境負荷が少ない素材です。
2
更にエネルギー消費と環境負荷の少ない工
程です。
3
量を占める樹脂製造を回避できるマテリア
ルリサイクル適性の優れた素材です。
一方的に自画自賛している。
LCA
その素材や製品が、製造・使用・廃棄・
さらにはリサイクルといったライフサイク
において
れほどの環境に影響を与えたかを総合的に
分析・解析して評価する手法がLCAデータ
(ライフサイクル・アセスメントデータ)
である。
代表的な汎用樹脂のLCA
プラスチック処理促進協会)」がまとめた
比較データによると、 石油採掘から樹脂
22.3
30.0 MJ/kg
な差異はありません。しかし資源エネルギ
ーについては、石油からの炭化水素を主と
する樹脂が45.6 46.5 MJ/kgであるのに対
して、その重さの半分を超える割合を塩素
が占める塩ビは21.3 MJ/kgと他樹脂の半分
以下であり、負荷が少ないことがわかりま
す。塩ビの工程、資源の合計エネルギー負
(46.1 MJ/kg)
(LDPE)72.2
MJ/kg 64
ギー負荷の最も少ない優れた素材といえま
CO
2
1.45kg/kg NOx 2.43g/kg SOx
2.17g/kgで、CO
2
NOx SOx
の中で最も低いレベルにあります。
塩ビの工程、資源の合計エネルギー負荷
(46.1 MJ/kg)
る低密度ポリエチレン(LDPE)72.2 MJ/kg
64
荷の最も少ない優れた素材といえます。
と一方的に自己弁護をしている。
しかし、この計算には重大な落とし穴が
Cl
2
は自
然界には存在しない
電気分解して製造するものである。
2NaCl +2H
2
O 2NaOH + H
2
+ Cl
2
[ Q&A塩素」2008 3月日本ソーダ工業
会発行によれば、塩素は塩からつくられま
す。塩素は塩水を電気分解して製造されて
います]と書かれている
電気分解に使われる電力は、火力発電施
設からは大量のCO
2
させて、造られ
4
た製品である。
塩素は原油のように石油井から採取した
自然界に存在する資源とは異なり、自然界
には存在せず、電気分解により食塩から製
造しなければならないものなのである。
この事実を無視した計算で資源の合計エ
(46.1 MJ/kg)
(LDPE)72.2 MJ/kg 64%となるという主
張は人々を誤らせる結論を導くことになる
業界の大ボスとして君臨し、東大を定年
退職後、横国大の工学部長を務めた永井彰
一郎教授は、1950年代の中頃、今、日本で
は食塩電解で生じる塩素Cl
2
理に困っており、太平洋の真ん中へ捨てて
いると講義をした。
捨場に困る塩素を製品にしたのが、塩化
ビニル樹脂であり、捨場に困る塩素から製
造されているので、最も安価なプラスチッ
クであり、可塑剤の添加量によって、硬質
ら軟質のフィルムまで、あらゆる硬度の
プラスチック製品を製造できる、このこと
から、広範囲の製品に使われてきた。
PVC
Polyvinyl Chloride/PVCは、1927年に米
(Union Carbide
Corporation) が初めて工業として生産を
開始したプラスチックである。
1930
製造され、日本では1941年にパイロット
ラン による生産が始まった
資源の乏しい日本で大量に得られ、自給
できる資源と言えば、石炭・石灰石・食塩
くらしかなかった。
塩化ビニルは日本の資源を使って得られ
る貧乏人のプラスチックなのである。
石炭を乾留して得られるコークス(炭素
C)と石灰石CaCO
3
CaOを電気炉 2000 に加熱し、カーバイ
(CaC
2
; )製造する。
CaCO
3
CaO + CO
2
CaO + 3C CaC
2
+ CO
CHCH が発生する。
CaC
2
+ 2H
2
O CHCH + Ca(OH)
2
水素H
2
と塩素Cl
2
を反応塔で燃焼させると轟音を発しながら
塩化水素HCl
水に吸収させたものが合成塩酸である。
反応塔では、熱と光を発するのでこの反
応は燃焼反応である。燃焼反応は一般に酸
素の存在下で起きるが、酸素が存在しなく
てもこの例のように燃焼反応は起きる。
水銀
HgCl
2
触媒のもと
ルモノマが生成する。
CHCH + HCl CH
2
=CHCl
CH
2
=CHClを重合さ
(塩化ビニ
ル樹脂)である。
1945 日本
では300
された。
戦時中、兵士を慰労するため、芸能界等
慰問団が戦地を訪れていた。その中に左
翼から右翼に転向した鎌倉文士の林房雄も
いた。彼は東南アジアへ慰問に行った帰り
「ガラスのバンド」(プラスチック製のベル
)を購入し締めていた。
これが筆者の見た初めてのプラスチック
製品であった。今にして思えば塩化ビニル
製品であったと思われる。常夏の国で購入
した軟質塩化ビニル 迎え、硬
化し さぞ使いにくかったであろう。
1950
5
があり、 品質 生産量が
した。
やがて原料は、
から、石油からえられるエチレンに代わり
1969 100 200
万トンを超えた段階で日本は米国の次に生
産数量が多い国とな た。
1
PVC
塩化ビニルモノマー 製造する
熱可塑性樹脂 、塩化ビ
ニル樹脂である 1.4の白色粉末。120
150 化し170 以上では分解して
塩酸を放出する。
可塑剤を加えない硬質と可塑剤を加えた
軟質に大別できる
成形性がよく
ートレザー床材料 ホース
造花 玩具など 電線
簡易容器 されてい
塩化ビニルが使用時に問題を起こすこと
は多少あったが、大問題になることはなか
ったが、プラスチック製品の増加に伴い
様々な問題点が指摘されるようになった。
その一つが、ゴミ焼却の際、塩化ビニル
を素材とするものが混入していると有害な
ダイオキシンの発生を招くことである。
た、可塑剤として使用されるフタル酸エス
テル類に環境ホルモンとしての毒性が見付
RoSH指令で規制される物質が出てきた。
また、塩化ビニルモノマーに実験動物で
発癌性が認められ、ヒトでも発がん性が認
められているためIARC の評価では ヒト
に対して発がん性が有る に分類されてい
る。このため、発がん性に関する定量的な
評価を別途実施している。
ビ樹の環境負荷をみる二酸化炭 CO
2
1.45kg/kgNOx 2.43g/kgSOx 2.17g/kg
で、CO
2
は他の汎用樹脂に比べて総じて低く、
NOxSOx では汎用樹脂の中で最も低いレベ
ルにあります。と一方的に自画自賛しているが
塩化水素 HCl やダイオキシンのことについては、
一言もふれられていない
燃焼で得られる熱エネルギーが少なく、
装置を腐食する塩化水素が発生し、ダイオ
キシン生成の原因にもなる塩化ビニルは、
(熱回収)
プラスチックリサイクルのルートには乗せ
られない厄介な存在である。
塩化ビニルさえなければ廃プラ熱回収の道
は容易である。塩化ビニルは廃プラリサ
クルの邪魔者なのである。
(
)
セメントの主原料は石灰石粘土珪石
鉄原料の4種類である。この4種類の原料を
工場に受入 乾燥 粉砕 焼成(大きな円
筒状の回転式の釜を使って溶岩状のもの
(クリンカー)を作成。) 粉砕
上記 工程を経 製品になる。基
本的に投入した原料はすべてセメントの製
品になり外部に廃棄物が出ることはない
焼成で使用する燃料 るが、
の代わりになるものも燃料になる。
容器包装
ない廃プラは
の場、燃焼によって 塩素陰イオン
6
Cl
の濃度が高い場合は、製造工程や製品に
悪影響が及ぶので、原料や燃料の代替とし
て受け入れが出来ない場合があ
生産ができなくなるという問題が発生しや
すく、製品中の塩素 の濃度が高い
と、鉄筋を腐食させる、固まる時間が遅く
なる、強度が保てなくなる等の問題が発生
( JIS
規格が決まってい
トでは350ppm
セメント工場
塩素除去装置を設置し、従来よりも塩素
イオン
工場もあり、セメントリサイクルがよりし
やすい環境にもなってきてい
廃棄物に含まれる成分に注目して、各業
界で求められた成分と照らし合わせ、適切
なリサイクルを考えている。
しかし
窓口が限られ、情報がオープンになってい
ない場合があ
キルン・プレヒータ系内での塩素陰イオ
の循環濃縮状況を把握する重要な指標と
して、ボトムサイクロン原料の塩素陰イオ
濃度があ
グ発生を抑制するキルン尻ガスの最適なバ
イパス率を独自のシミュレーションにより
設定す
各揮発性成分のキルン内での揮発率は塩
陰イオンがアルカリ 硫黄に比べ大きい
ため、塩素除去を目的とする塩素バイパス
は5%以下のバイパス率で充分な効果が得
られ
リカバリー・焼却処理施設は、ダイオキ
シン類対策特別措置法の施行後大幅に整備
され処理能力も増加した。
塩ビ廃棄物または塩ビ混合廃棄物をエネ
ルギーリカバリー・焼却処理できる施設は
全国に存在し、そのうち47施設は廃塩ビ製
品・部材の受け入れを開示してい
塩ビを約10
焼却試験で、エネルギーリカバリーが支障
なくできることを実証した。
セメントキルンでのエネルギーリカバリ
ーは、 の実用化
も進んでおり、今後の可能性が期待されて
いる
2018 6 8日~9
G7
は貿易問題だったが、環境問題では二つの
驚くべき出来事があり、各方面に波紋を投
げかけている。
これまでは比較的マイナーな課題であっ
たはずの海洋プラスチック廃棄物に関する
海洋プラスチック憲章が、首脳会合で採択
されたことである。
海洋プラスチック汚染問題とは、海洋中
に人工物であるプラスチックが分解されな
いまま、小さくなりながら残留・浮遊し続
ける問題である。特に、直径5mm以下の小
さなプラスチックのごみであるマイクロプ
ラスチックは、海洋生物の中に取り込まれ
ているという調査結果があり、また、ヒト
の排泄物からも検出されており、生物・生
態系への深刻な影響が懸念されている。
戦時中、横須賀の追浜飛行場を飛び立っ
た練習機が鎌倉の山中に墜落し、兄がそこ
から風防ガラスを拾ってきた。家の柱に擦
り付けると、エステルのいい匂いがした。
今考えると、初めて目にするポリメタクリ
ル酸メチル樹脂略称PMMAと思われる。
7
ウイキペディアによると、この透明固体
材はアクリルガラスとも呼ばれる。擦ると
特有の匂いを発することから匂いガラス
(においガラス)とも呼ばれた。また、ポ
リカーボネートなどと共に有機ガラスとも
呼ばれる。アクリル樹脂は1934年ごろ工業
化された。 とある。
アクリル酸とアルコールから生成するエ
ステルの総称。一般式CH
2
=CHCOORで示
される。実験室的には、濃硫酸を触媒とし
てアクリル酸とアルコールを反応させると
得られる。
アクリル酸メチルCH
2
=CHCOOCH
3
methyl acrylate 沸点79.6 80.3 、無色
で不快臭のある液体。工業的にもっとも重
要なアクリル酸エステルであり、プロピレ
ンの接触酸化により製造したアクリル酸を
メタノールによりエステル化する製造法で
合成されている。この方法ではプロピレン
CH
2
=CHCH
3
675kg CH
3
OH
400kg から1
CH
2
=CHCOOH+CH
3
OHが得られる。
2CH
2
=CHCH
3
+3O
2
2CH
2
=CHCOOH+2H
2
O
CH
2
=CHCOOH+CH
3
OH
CH
2
=CHCOCH
3
+H
2
O
炭素数の多い高級アルコールのエステル
は、アクリル酸メチルからエステル交換反
応を利用して合成する。メチルエステルか
らヘキサデシルエステルまでの同族体は、
いずれも常温で液体である。
炭素数の少ない低級アルコールのエステ
ルは不快臭をもち、毒性が強いので、吸入、
皮膚への付着を避けなければならない。
おもな用途はアクリル繊維の改質塗料
接着剤などで、いずれも共重合体が用いら
れている。
アクリル樹脂はプラスチックの中で最も
耐久性に優れ、なおかつ美しい透明性を保
った素材であり、こうした特性を活かして、
さまざまな製品に使用されている。アクリ
ル樹脂の特性を最も表す代表的な使用例は
水族館の巨大な水槽である。
ジンベイザメで有名な沖縄美ら海水族館
の巨大水槽を始め大迫力の巨大水槽はアク
リル樹脂で作られて 1回のものづく
40
カ国で実績のある日本プラ株式会社が施工
したものである。その仕様は圧巻で、高さ
8.2m・幅22.5m・厚さ60
水槽である。
このアクリルパネルは柱が無いにも関わ
らず7500
60cm 7
リル樹脂から構成されているが、綺麗な透
明性を保ったまま見る人々に魚の生態をク
リアに見せてくれる。この例が示すように
アクリル樹脂はその強度と耐久性、そして
ガラスとは異なる柔軟性から水族館の水槽
では当たり前の存在になってきている。
さらには水圧に耐えうる耐久性を活かし、
深海探索用の船の窓にも使用されており、
多くの航空機の窓に 使用されている。
また、
維・成型用樹脂・粘接着剤・塗料・繊維処
理剤などの原料として使用されている。
1)朝日新聞「天声人語」2018 9 22 ,
2)
環境コミュニケションズ 04 10
3)
ー・廃棄物問題 化学工業日報社16 11
4)村田徳治 増補改訂廃棄物のやさしい化学第 2
日報出版 04 9