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ると「気候変動や貧困問題に誰も取り組ま
なくなる 」と 指 摘 。「 様々な矛盾が生まれ、
紛争が多発する」と警告した。
政治学者のグレアム.アリソン氏は 、覇 権
国と新興国である米中の対立と競争は不可
避なものの、冷戦からの教訓である① 用
心 ・②コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ・③抑制・ ④ 妥
協・⑤ 協力の5つのCを実践することによっ
て「トゥキディデスの罠」から逃れ、戦争
を回避することは可能だとした。また民主
主義についてアリソン氏は「自然の形では
機能せず、常に注意を払って育てていかな
ければならず、非常に難しい」とした。
排 出 目 標 と強 い政 策 を
マイクロプラスチックによる海洋汚染が
ク ロ ー ズ ア ッ プ さ れ た 18年 、 企 業 な ど が プ
ラスチック製ストローの使用を中止する動
きが目立った。ストローだけでなく、身近
な使い捨てプラスチックを減らそうという
取り組みが進んでいる。現代の便利で快適
な生活を支えてくれた製品やサービスの
「ごみ」であり、少ないうちは問題になら
なかったが、あまりにも量が増え、私たち
自身の暮らしを脅かす存在になった。容器
包装リサイクル法やごみの減量化・ 製品の
改良・ ご み の 分 別 な ど 国 や 自 治 体 ・ 市民は
それなりの努力をしてきた。だが、自主性
に頼った対策では、解決策を見つけること
はできなかった。
日 本 の プ ラ ス チ ッ ク ご み は 年 約 899万ト
ン。1人あたりの使い捨てプラスチックごみ
の発生量は世界2位という事実が、新たな対
策の必要性を物語る。CO
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に つ い て は 、 地
球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」で、
今 世 紀 後 半 の「 実 質 排 出 ゼ ロ 」が 示 さ れ た 。
川崎市中原区の東急新丸子駅近くにある
「バルクフーズ」新丸子店は、客が必要な
量だけ 川 崎 市 中 原 区 の 東 急 新 丸 子 駅 近 く
にある「バルクフーズ」新丸子店は、客が
必要な量だけ 川 崎 市 中 原 区 の 東 急 新 丸 子
駅 近 く に あ る「 バ ル ク フ ー ズ 」新 丸 子 店 は 、
客が必要な量だけ買う」店である。大きな
透明容器に入ったナッツ類・ ドライフルー
ツ ・ チョコレートがずらりと並ぶ。常連の
女性は、ジッパー付きのポリ袋を持って来
店。レジでポリ袋の重さを量り、ドフルー
ツをポリ袋に入れて、また重さを量って会
計をする。袋は来店するたび繰り返し使う
という。
運営する ナ チ ュ ラ ル リ ー ド 社 長 の 伊 藤 弘
人 氏 は福島県内の食品スーパーで22年間働
いた経験を持つ。「プラスチックの容器包
装が大量に使われていることが気になって
いた」といい、量り売りスタイルの店を4
年 前 に 開 い た 。現 在 、3店舗を展開する。他
店にもノウハウを伝授。「 協力店」は開店
予定も含め、全国で15店になった。
2018年 11月 3日、東京都調布市の味の素
ス タジアムであったラグビー日本対ニュー
ジ ー ラ ン ド 戦 に は 、 45,300人超の観客が集
まった。売店横では、係員がハンドマイク
で呼びかけていた。「ごみを削減するため、
限定リユース カ ッ プ で 飲 み 物 を 提 供 」 選手
を デザインしたカップを1万 個 用 意 。観 客 は
300円 で カ ッ プ を 購 入 し て 飲 み 物 を 入 れ て
もらう。記念に持ち帰って良いし、戻せば
返 金 さ れ る 。試 行 し た 一 般 財 団 法 人「 地 球・
人 間 環 境 フ ォ ー ラ ム 」 な ど は 19年 の ラ グ ビ
ー W杯日本大会や20年東京五輪・パラリン
ピックでの定着を目指したている。
引 用 ・参 考 文 献
1)月刊廃棄物 2019年 12月号
2)石井徹 神田明美 河村剛志 朝日新聞