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フッ素とその化合物
音羽通信 2019.7 月号
循環資源研究所 村田徳治
1930 年デュポンによるクロロフルオロカーボ
ン系冷媒(レオン・日本名フロン)とそれに続
て開発されたポ(テトラフルオロエテン商品名
テフロン)の二つによってフッ素化合物をめぐる
化学技術が開花しはじめた。
フッ素化学と工業が 1940年代か 60 年代に
けてアメリカソ連・イギリスを中心に発展をと
げた裏には原子力開発と宇宙材料の開発等、軍需
べき
らである。
1980 年代、南極上空に巨大なオゾンホールが
発見され、その原因はエアコン・冷蔵庫・自動販
売機などに「冷媒」として使用され、また、精密
機器・半導体を洗う洗浄剤、スプレーの噴霧剤等
に多用されているクロロフルオロカーボンが、
ゾン層を破壊した結果であることが判明した。
2000 年にはオゾンホールが南極大陸の二倍以
上の大きさになった。
はオゾン層
よる紫外線が増え続け、オーストラリアでは皮膚
率が
ある。南極に近いオーストラリアでは、帽子・サ
ングラス日焼け止めクリームで日焼けを防止し
ている。ゾン層の破壊による、地球に届く紫外
線の量は、オゾン層が 10%壊れると有害な紫外
線の量が 20%増え、皮膚ガン白内障失明など、
その影響が顕著になる。
トンが紫外線の影響で減り、海の生きものが食べ
るエサがなくなるので漁獲量が減少し、農作物が
育たなくなり、食料不足が起こる。
特に、コメは紫外線の影響を受けやすくオゾ
ン層が1割壊れると、収穫量が 3/42/3 まで減る
という研究結果もある。
オゾン層が存在する成層圏の大気が変化し、
・巨大台風・日照りが続く地域も出てくる
た、フロンは地球温暖化を惹き起こすガスであり、
京都議定書で排出量削減の対象になっている
て二酸化炭素・メタン亜酸化窒素(N
2
O)・ハイ
ドロフルオロカーボン類・パーフルオロカーボン
類・六フッ化硫黄の 6 類がある。
どから、温暖化の主要因として相関性の高さが問
われ、さらに悪化傾向が懸念されている
複数の同族体が存在し、その物性は炭素鎖の長さ
で大きく異なる
特に炭素数が 8 個のパーフルオロオクタンスル
ホン酸 PFOS とパーフルオロオクタン PFOA
は環境中で分解されにくく、残留性や生物蓄積性
を示すことが判明している。この両者は世界的に
河川水等の水環境中に存在し、人間活動から遠く
離れた極域に生息するホッキョクグマをはじ
動物
されている。
PFOS
IUPAC
-1- 酸・分 500.13
炭素に結合している水素をフッ素で置換し
た直鎖アルキル基を有するスルホン酸
溶性は低い(570 mg/l)がジメチルスルホキ
シドには溶けやすい。界面活性能が高く、
水の表面張力を15mN/mまで低下させる。
PFOS は、分子量化合物であり、界面活性剤
として表面張力の低下の目的で、めっき浴のミス
ト防止剤塗料のレベリング剤・中性強化液消火
液・殺虫剤・半導体リソグラフィの反射防止剤・
合成原料等に用いられる。
熱や化学的安定性等の物性を示し、界面活性剤
等の幅広い用途で使用されてきた。
PFOS
るとの誤った記載もしばしば見受けられる
2
PFOS
する形で製造したスルホンアミドエタノー
ルより製造したモノマーを重合して製造す
る高分子化合物であり、PFOSとは異なる化
合物であり、PFOSには撥水撥油性能はない。
PFOS 2005 6 16
が残留性有機汚染物質に関するストックホ
ルム条約の対象物質への追加を提案した。
2006 1 25
ッ素樹脂メーカーに対して、PFOAの排出
の削減を求め、2015
目指し
2009 5 4 8日までジュネーブでス
(POPs条約)の第4回締約
国会議(COP4) PFOSを含む9
種類の物質 B
ことを決定した。
日本では2008 11 21日のPRTR法施行
令改正でPRTR法第一種指定化学物質にな
り、2009
務付けられた。
2010 4 1 日の化審法改正で第一種特定化
学物質に指定され、製造と輸入を許可制にし、
実上禁止した。
パーフルオロオクタンスルホン酸 PFOS
有機フッ素化合物の毒性影響は、実験動物を
いた投与実験で発ガン性・発達障害等が報告され
ている。
PFOS は、本では、化学物質の審査および製
造等の規制に関する法律(化審法)第一種特定
学物質、特定化学物質の環境への排出量の把握等
及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR )
第一種指定化学物質に指定されている。
海外における飲料水基準(暫定値を含む)では、
アメリカの暫定健康勧告 PFOS 200 ng/l
され、日本では 2009 4 1 日より水道水質基
準の「要検討項目」に新たに加えられた
「要検討項目」には、毒性の評価が定まらないこ
での
アップされており、検査義務のある「水質基
や水質管理上留意すべき項目である「水質管理目
標設定項目」に次ぐカテゴリ-であるがPFOS
の基準(目標)は設定されていない。
合物( PFCs)は、PFOS
1.4~57 ng/l・パーフルオロオクタン酸 PFOA
11~30 ng/l の濃度範囲で検出され、水道原水と
ぼ同程度であった。これらの物質は浄水過程での
除去効率が低いこと。た、下水処理場放流水に
よる寄与が大きい浄水場では水道原水浄水濃度
が高いことが判明している。
日本では国内 4 都市 9 浄水場の浄水から PFOS
0.1~50.9 ng/l 出されており京都の 59
水場の浄水から PFOS が最高値で 37 ng/lPFOA
が最高値で 25 ng/l 検出された。
ペル(パー)フルオロオクタン酸 PFOA
PFOA は水溶性(3.4 g/l)で、フッ素化されて
ないオクタン酸よりも界面活性能が高い
IUPAC 名ペンタデカフルオロ-1-オクタン酸:
子量 414.07 :透明液融点 5556沸点 189℃。
PFOA は、8 個炭素と結合している水素を全て
換し
ボン酸である。
パーフルオロオクタン酸 PFOA
パーフルオロアルキル基は C-F 結合エネルギ
ーが高く、耐光性・耐熱性が高く、生分解を受け
3
ない。パーフルオロオクタン酸はフッ素テロマー
のテロメリゼーションにより合成される生体内
半減期は 4.3 年であり、類似物質として PFOS
生体内半減期 8.7 年に比較して、かなり短い
PFOA は、ポリテトラフルオロエチレン合成に
おける添加剤塗料のレベリング剤・水性膜形成
泡消火剤・界面活性剤などに用いられている。
3M社は2000 年に
PFOS
検出されたことを明らかに 製造を中止
した。PFOA 2002
その他フッ素樹脂メーカーで使用が継続さ
れている。世界各国の政府・研究者がその
影響の調査に乗り出している。
パン処理として知られるフッ素樹脂加工(テフロ
8 加工)とは、フッ素と炭素を結合させた化合物
ラフ
理である。ポリテトラフルオロエチレン自体
は化学的に不活性であり毒性はないしかし、
260°C に達すると劣化し始め、約 350°C
以上になると分解する。
フッ素(弗素・英: fluorine)
フッ素は原子番号 9 の元素。フランスのア
ドレ=マリ・アンペール fluorine 名付けた。
この名前は蛍石(Fluorite:CaF
2
)んで
元素記号はラテン語の Fluorum の頭文字よ F
が使われる。
イギリスのハンフリー・デーヴィーが fluorine
を使い続けたため、Fluorine に由来する名称が定
着した。日本語の「フッ素・弗素」もドイツ語の
Fluor の音訳 1 文字目から取られたものである。
ハロゲン族に分類される塩素 Cl・臭素 Br・ヨウ
I の仲間である。周期律表の右上すみに位置す
るフッ素は、他の元素にくらべ特異な反応を示す
原子量は 18.9984 で、最も軽いハロゲン元素。
電気陰性度は (Pauling の尺度で 4.0)で全元素中
最も強く、化合物中では常に―1の酸化数を取る。
フアンデルワールス半径 H=1.2F=1.35
ームい原
る。フッ素化合物の特性はこれらに由来る。
フッ素原子の最外殻電子 2s12p のオービタ
ルにあり、同じハロゲンでも塩素・臭素・ヨウ素
べる
の電子を使って結合している。
ヘリウムとネオン以外のXeKr のような希ガ
ス元素とも安定に結合する。フッ素の単体は酸化
力が強く、ほとんどの単体を酸化して化合物(フッ
化物)になる。
単体は通常、二原子分子 F
2
として存在する。
常温常圧では淡黄褐色で特有の臭い(塩素様とも、
きな臭いとも称される)持つ気体。
非常に強い酸化作用があり、猛毒。分子量
37.9968融点―223沸点188比重 1.11(
点時:空気を 1 する)
水素とは光なしでは高温下で反応、光の存在下
では室温で反応し、フッ化水(HF)生成する
1 1 合物
4,000程度に達する。酸素とは放電にりフ
化酸素(O
2
F
2
)
O
3
F
2
が得られる。カルコゲン元素(SSeTe)
は六フッ化物 (SF
6
SeF
6
TeF
6
)を生成する。
と反応させるとフッ化水(HF)・酸(O
2
)と一部
オゾン(O
3
)を生成する。水酸化ナトリウム水溶液
と反応して OF
2
を生じる窒素とは反応しないが、
と直
(NF
3
)生成する。炭素はフッ素雰囲気下で
し四フッ化炭素 (CF
4
)を生成する。ケイ素の単体
とは爆発的に反応する。鉄などとは即座に反応す
る。他の金属も室温から比較的低温で反応す
ニッケル・銅・金・白金とは主に 500℃以上で反
応する。キセノンとは加熱あるいは光存在下に反
4
応し、二フッ化キセノ((XeF
2
)を生じる。大過剰
のフッ素存在下 400℃で加熱すると、二、四、六
フッ化物((XeF
2
XeF
4
XeF
6
)の混合物を生成
る。クリプトンとは光存在下に反応し二フッ化ク
リプトン(KrF
2
)を生成する。ハロゲン元素とはハ
ロゲン間化合物を生成し、フッ化塩素 (ClF
ClF
3
)・フッ化臭素 (BrFBrF
3
BrF
5
)・フッ化
ヨウ(IF
5
IF
7
)どが知られている。フッ素
酸化還元電位は+2.89(V)で、他のハロゲン族元素
に比べて非常に高い値である。酸素の+1.21V
り高いため、他のハロゲン化物塩水溶液と異なり、
の水
単体は得られず、酸素が発生する。
フッ素の単体は反応性が極めて強く、そのため
フッ素を単体で使うことは少なく、蛍石(ホタル
石・フッ化カルシウム CaF
2
)と硫酸(H
2
SO
4
)から
生成するフッ化水素(HF)を介して利用されるこ
とが多い。この反応は、1771 年、カール・シェ
ーレが発見していた。
CaF
2
+ H
2
SO
4
2HF + CaSO
4
ウラン 235 (235U)濃縮のため、揮発性の高いフ
ッ化ラン(UF
6
)製造する的で単体フッ素
利用されることは、特筆すべきである。
フッ素はガラスや白金さえも侵すため、その性
質上、単体で保存することは実質的に不可能であ
る。そのため単体よりも穏やかな化合物の状態で
保存され、容器には化合物であっても侵されにく
レン
された容器が用いられる
フッ素の単体はフッ化水素(HF)を電解するか
フッ化水素カリウム((KHF
2
)を電解することで得
られる。
反応性が高いため、天然には蛍石や氷晶石など
として存在し、単体では存在しないといわれてい
たが、2012 年に鉱物アントゾナイトにフッ素分
子が含まれていることが確認された。
1800 年、イタリアのアレッサンドロ・ボルタ
が発見した電池が、電気分解という元素発見に極
めて有効な手法をもたらした。
デービーは 1806 年から電気化学の研究を始め
るとカリウムナトリウム・カルシウム・ストロ
ンチウムマグネシウムバリウウ素を次々
と単離したが単体のフッ素の酸化力の強さのた
め、デービーでもフッ素は単離できなかった。
酸素を発見したアントワーヌラヴォアジェも、
単離には至らなかった。
実験器具自体が破壊されるばかりか、人体に有
害なフッ素を分保管することもできなかった
1886 年、アンリ・モアッサンが単離に成功す
る。白金・イリジウム電極を用いたこと、蛍石を
フッ素の捕集容器に使い、電気分解を―50℃とい
う低温下で進めたことが成功の鍵であった。当時
は材料にも工夫があり、電解液としてフッ化水素
カリウムの無水フッ化水素溶液を用いただがモ
アッサンも無傷というわけにはいかず、この実験
の過程で片目の視力を失っている。
フッ素単離の功績から 1906 年のノーベル化学
賞はモアッサンが獲得した。
フッ素化合物の利用・エキシマレーザ
スと希ガスの混合ガスが用いられる。例えば半導
体の露光に用いられる ArF レーザーがその代表
である。配管にはフッ素との反応で不動態を形成
することによりそれ以上腐食が進行しにくい銅
などが用いられる。さらにガス漏洩時には迅速に
断さ
れている。
エキシマレーザーの工業用用途
ラフィがある。また薄膜作製方法のひとつである
PLD 法にも一般的に用いられている
エキシマレーザーの眼科用用途
視力矯正手術(屈折矯正手術)用いるエキシマ
は波
要なだけ正確に除去することが可能である。レー
5
ザーといっても熱を発するものではなく衝撃波
熱に
ことがないのでエキシマレーザーを使ったレー
シック手術は痛みをほとんど伴わず、視力回復が
早いという特徴がある。アメリカでは 1995 年に
FDA(米国食品医薬品局)によって、日本では 2000
1 月に厚生省によってその使用が認可されてい
る。また、エキシマレーザーに発癌性のないこと
が確認されている。
フッ素化合物・フッ化水素(HF弗化水素)
古くから製鉄など金属製錬で、フッ素化合物
ある蛍石(CaF
2
)が融剤として用いられた例えば、
ドイツの鉱物学者ゲオルク・アグリコラは 1530
年に著書ベルマヌス』で蛍石が融剤として適切
であると記している。1670 年には、ドイツのガ
ラス加工業者のハインリッヒシュヴァンハルト
溶解
用があることに気づいた
特に水素・炭素・ケイ素・ホウ素・アルミニウ
ムなどの元素との結合力 500kJmol
-1
以上に達
することは注目すべきで「はだかのフッ素イオン」
元素
反応が最近多く報告されている。
他の水素ハロゲン
一価元素にくらべると強く、このことは有機フッ
素化合物の熱安定性を高くしている一方有機化
フッ
いちじるしく困難にしている。
フランスのアンドレ=マリ・アンペールは、
塩化
いだけであると主張したしかし、フッ化水素の
研究は進まなかった。
フッ化水素はモル質量 20.01g/mol無色気体ま
たは液体・融点84℃・沸点 19.54°C・水への溶
解度:任意に混和水素とフッ素とからなる無機化
合物で無色の気体または液体。水溶液はフッ化水
素酸と呼ばれ、フッ酸とも俗称される。毒物及び
劇物取締法の医薬用外毒物に指定されている。
F-H の結ルギに電
難く、水溶液では弱酸に分類。これはフッ素イオ
ンのイオン半径が小さいため、水素イオンとの静
電気力が強いことによるとも解釈される。ま
より
とから、低分子量なのに沸点が高い。また、フッ
素の電気陰性度が大きいために、フッ化水素同士
で二量体あるいはそれ以上の多量体を生成す
80℃以上の気体状態では単量体になる。
フッ化水素は、塩化水素など他のハロゲン化水
素に比べて性質が異なる点が多い。
--素イい求
原子
へのプロトン化の相互作用により、ガラス等に含
まれるケイ酸と反応してヘキサフルオロケイ酸
を生じ、ガラスを腐食する。この反応は、半導体
の製造プロセスでも重要である。現在、半導体製
造用高純度フッ化水素は世界中の市場を日本が
席捲しており、韓国との貿易摩擦の対象物質にも
なっている。
筆者の高校時代は、ポリエチレンやテフロンが
なかったので、フッ化水素は鉛の瓶に入っていた
フッ化水素の用途
フッ素を添加した合成樹脂やゴムは、アル
品や
る。フッ素の化合物は、一般に極めて安定してお
り、長期間変質しないという特徴があるため、
導体製造装置や自動車などの部品部材に使われ
る。この性質は環境中で分解されにくくいつま
でも残存するということを意味しておりその使
用には注意が必要である
フッ化水素の毒性
皮膚に接触すると、体内に容易に浸透しカル
シウムと結合してフッ化カルシウムを生じ、骨を
侵す。
歯に対する毒
6
体が
る。歯磨きや歯科治療に使われるほか、虫歯予防
のために、水道水にフッ化ナトリウムを添加して
いる国もある。
フッ素は欠乏と過剰になる量の範囲が狭く、
剰に加えると斑状歯になり、歯を破壊する。フッ
素の過剰摂取は骨硬化症脂質代謝障害糖質代
謝障害と関連がある。
虫歯予防に用いられるフッ化ナトリウムは、
溶液の状態ではフッ素イオン(フッ化物イオン)
Ca
5
OH(PO
4
)
3
であるが、-OH 基をフッ素で置
したフルオロアパタイト Ca
5
F(PO
4
)
3
にすると虫
歯予防になるといわれている。
Ca
5
OH(PO
4
)
3
+ F
Ca
5
F(PO
4
)
3
+ OH
一時、虫歯予防のためにフッ化ナトリウムを
歯に塗布することが流行した。
八王子市の歯科医師が 8 歳の少女にフッ化ナト
し死させ
るという事故(フッ化水素酸誤塗布事故)起こし
た。
フッ素のサプリメントは海外では製品化さ
ている。主な摂取源は飲料水と動物の骨などであ
る。
屈折率の制御
があるため、光ファイバーなど通信の分野で、屈
折率制御にフッ素が使われている。
洗浄
を除使
れている。
分子であり、一般に非イオン性のハロゲン化物は
分子間力が弱く高い揮発性を持つ、特に原子量の
小さいフッ化物は揮発性が顕著に現れる
典型金属元素のフッ化物は、一般に低融点の
型的なイオン結晶である。アルカリ金属・銀・ス
ズのフッ化物は水溶性を示す。一方、リチウム・
アルカリ土類金希土類元素などとの化合物の
多くは水に難溶である。
水分子も他のハロゲンイオンよりも少ない。その
結合
ネル
のほうが大きくなり、結晶は水に難溶または不溶
になる。
フッ素イオンは HSAB 理論では極めて硬いル
イス塩基と考えられている。一方、酸化数の高い
非金属元素および金属元素とは BF
4
―・SiF
6
―・
TaF
7
2
い元
軌道が多くなりフッ素原子からの電子受容体に
なりやすい。その為、共有結合を形成しやすくな
る場合もあるたとえば、UF
4
はイオン結合性だ
UF
6
は共有結合性である。
HSAB 理論:一般に軟らかい酸と軟らかい塩基は
反応しやすく強い結合を形成する。硬い酸と硬い
塩基のペアもまた反応しやすく、強い結合を形成
する。ここで用いる酸塩基と言う言葉はルイス
の定義によるものでありHSAB 則は主に錯体中
の金属(ルイス酸)位子(ルイス塩基)の相性に
関して用いられる。硬い酸や硬い塩基を強酸や強
塩基、軟らかい酸や塩基を弱い酸や塩基であると
考えられることがあるが誤りである。
コラム
醸造に不可欠なコウジカビは、蒸米に椿の灰
かけて採取する椿の灰には毒性のあるフッ素化
合物が高濃度に含まれており、しかもアルカリ性
雑菌
いる。
引用・参考文献
1) ウィキペディア(Wikipedia
2)
環境コミュニケイションス 2001 10